ナイツ NiGHTS into Dreams...【夢と勇気と優しさ SEGAサターンの超名作】1996 スキップしてメイン コンテンツに移動

ナイツ NiGHTS into Dreams...【夢と勇気と優しさ SEGAサターンの超名作】1996

1994年11月に、当時の次世代ゲーム機である「SEGAサターン」を発売されました。その際に大きく注目されたのは、名作「ソニック・ザ・ヘッジホック」を生み出した「SONICチーム」が、この新しいゲーム機で、どんなゲームを発表するのかということでした。今日はそんな噺です。




SEGAサターン発売




SEGAのゲーム機「サターン」は1994年の11月に発売されました。そして本体の発売と同時に、ローンチタイトルとして、人気アーケードゲームの「バーチャファイター」のサターン版も同時発売されました。この「バーチャファイター」は、鈴木裕氏率いる「AM2研チーム」が制作したもので、当時は「家庭用ゲーム機への移植は困難なゲーム」とささやかれておりました。それゆえそれが実現出来たことが大いに評判になり、ゲームは70万本を超える大ヒット作となりました。



一方、SEGAのコンシューマーゲームを代表する「ソニック・ザ・ヘッジホック」シリーズを作り上げた「中裕司」氏率いる「SONICチーム」は、ゲームの発表どころか、ゲーム開発のアナウンスすらしておりませんでした。



それゆえゲーム雑誌では「ソニックに逢いたい!」という特集が組まれ、SONICチームへのインタビューが行われたりしましたが、そこでゲーム開発の具体的な証言が成されることはなく、その後、一年ほどは全く動きがありませんでした。



新キャラクター「ナイツ」

SONICチームからゲームの開発が発表されたのは、サターン本体が発売されて1年半近く経った1996年の春の事でした。それもソニックのゲームではなく、「ナイツ」という全く新しいキャラクターのゲームだったのです。


「ナイツ」は道化師のような造形に加えてメインカラーは紫という、これまでの「主人公キャラ」の概念を打ち破るデザインがされておりました。さらにはゲームジャンルは「新感覚フライトシミュレーション」という未知のものです。正直、そのゲーム性などは見当もつかない状態でしたが、あのSONICチームが自信をもって制作しているとのことなので、否が応でも期待は高まっていきました。

吉野紗香さん主演のTVコマーシャル。このCMも名作ですね。 

ナイツ公式トレーラー

[ナイツ]
あなたが、「悪夢の世界」に迷い込んだら、ナイツを思い出して下さい。自由気ままに空を飛ぶナイツ、優しく微笑むナイツ、そして悪夢の支配に挑むナイツ・・・。NiGHTSは、あなたの夢の世界を舞台に繰り広げられる爽快な夢と勇気のアドベンチャーストーリーです。

■ナイツと少年少女が力を合わせ、夢の冒険に挑む!
「NIGHTS」で活躍するエリオットとクラリスは、ツインシーズという街に住む15歳の少年少女です。夢の世界の住人ナイツと共に強大な敵と戦うことで、彼らはいったい何を得るのでしょうか…。

■命を吹き込まれたキャラクター達!
「NIGHTS」では、A-LIFE(Artificial Life)と呼ばれる人工生命プログラムを導入しています。
夢の世界の住人達は、まるで本当の生物のように生活・繁殖・進化し、独自の生態系を形成していきます。もちろんプレイヤーの行動によって生態系に変化が起こるので、あなただけの夢の世界を創り出すことができます。

■美しい夢の世界を立体フィールドで形成!
サターンの処理能力を限界まで引き出すことで、滑らかな立体フィールドを自在に飛び回ることができます。 さらに、高度なCG技術と繊細なグラフィックで、幻想的な夢の世界を再現。 実際の夢さえも上回る、美しい世界があなたの前に広がります。

■「夢」をモチーフに、あらゆるジャンルの音楽に挑戦!
「NIGHTS」のBGMはジャズ調、ハウス調、サーフ調、ロック調、民族音楽調、そしてオーケストラとバラエティに富んだジャンルで構成されています。また、ゲーム中はA-LIFEシステムとリンクしているため、プレイする度にアレンジやフレーズが変化します。 これにより”生きたBGM”を毎回楽しむことができるのです。

■簡単な操作で自由自在な飛行を実現!
初めてプレイした人でもすぐに、簡単に、ナイツを操作できます。 そして、飛行をより楽しみたいと感じたならアクロバット飛行に挑戦してください。空を飛んでいるからこそできた楽しい動きを堪能できます。

登場キャラクター 




ナイツ

後述するワイズマンに作り出された悪夢の世界の住人だが、自由奔放な性格ゆえにワインズマンに逆らい、イデアが無ければ脱出不可能なイデアパレスに監禁されている。夢の世界に来たエリオットとクラリスが勇気のイデアを持っていることを知り、ワインズマンという悪夢を打破するために共闘を申し出る。

エリオット

勇気のイデアを持つ15歳の少年。クールな性格だが、ストリートバスケで上級生に完敗し、バスケットコートを奪われたことがトラウマとなり、悪夢を見るようになる。夢の世界でナイツと出会い、共に戦い成長していく。

クラリス

勇気のイデアを持つ15歳の少女。ツインシーズ100年記念のミュージカルのオーディションを受け、二次審査まで進むが、自信を喪失して悪夢を見るようになる。夢の世界でナイツと遭遇し、チャレンジする心を取り戻していく


ワイズマン

本ゲームのラスボス。ナイツやリアラという存在を生み出した創造主。夢の世界に来たものを悪夢へと誘う存在。

リアラ

ナイツと同格のナイトメアンであり、ナイツのライバル。

ナイトピアン

夢の世界の住人。好感度があり、プレイヤーの干渉によって機嫌や形態が変わっていく。

ナイトメアン

ワインズマンが生み出した悪しき存在。ナイツの行く手を阻み、ナイトピアンも襲う。


ナイツ発売

「NiGHTS into Dreams… 」は1996年7月に発売されました。ナイツ用に独自に開発された「セガマルチコントローラー」との同梱版も同時発売です。わざわざ専用機器まで用意したのですから、そんな辺りにもSEGAの「ナイツ」及びSONICチームに対する期待を感じますね。



フライトアドベンチャー

次世代ハードの3Dゲームでしたが、基本的にはスーパーマリオ同様の横スクロール方式のゲームでした。しかしただ単純に真横に進むわけではなく、斜め後方視点からロール状に回り込む方式で進むため、3Dならではの奥行きと立体感を感じる事ができたのです。

夢の世界

大まかな流れとしては、エリオットとクラリスが持つ「勇気のイデア」を頼りに「純粋・成長・知性・希望」という、のこり4つのイデアをナイトメアンから奪い返し、最終的にはワインズマンを倒すというゲームなのですが、とにもかくにもゲームの世界観と言いますか、ゲーム全体を覆う「夢の世界」の雰囲気はたまらないものがあります。これはもうメイン画面だけでもおなか一杯になるレヴェルであり、本当にロマンティックなゲームなのだなと、その時点で感じさせられます。


音楽

そしてこのゲームをさらに名作たらしめているのはササキトモコさんが手掛けた音楽ですね。特に主題歌の「Dreams Dreams」はゲーム音楽屈指の名曲として、世界中で人気を博しています。


エンディングムービーにこの曲をあてはめたものを、プロデューサーの中裕司氏にプレゼンしたところ、普段は殆ど人を褒めない中氏が「これは良いねえ…すごく良いよ」と涙ぐんだそうです。もうそれくらいの名曲なのです。
さらには「Dの食卓」「エネミーゼロ」でお馴染みの、飯野賢治氏(故人)もこの曲の大ファンであることを公言しておりました。氏はゲームショーのセガブースにも飛び入りして、この曲のキーボードをかって出たりもしております。
ちなみに通常のエンディングではキッズボーカルバージョンなのですが、ある一定の条件を満たすと、それが大人ボーカルバージョンに代わるという仕掛けも、このゲームにはあったりします。

後にソニックチームの重要な作曲家になる熊谷文恵さんは、このナイツが初めてサウンドコンポーザーとして参加したゲームでありました。自宅で熊谷さんのお兄さんがナイツをクリアし、EDのスタッフロールに映し出された「Fumie Kumatani」の文字を見て、彼女は号泣したそうです。

エンディング

「エリオットエンド」「クラリスエンド」「エリオット&クラリスエンド」「Aランクエンド」の4種類があります。これはもうどれもこれも素晴らしいものです。そしてこのゲームと向き合い、自分の力でちゃんとクリアした人ならば、現実世界で再会するエリオットとクラリスのラストシーンを見て、感動しない人はいないんじゃないかなと思います。

個人的に思い出しても、このゲームの発売時期に、僕はすごく難しい美術の公募展にチャレンジしておりまして(その前年は選外でした)、これはもう実に不安な気持ちではあったのですが、このゲームからは抱えきれないほどの勇気をもらいましたね。お陰様で見事に入選することが出来まして、それからしばらくは「Dreams Dreams」がヘビロテだったことは言うまでもありません。あれからもう四半世紀経つのですね・・・尊い記憶を置いたまま、時というものは確実に流れていきますね。

クリスマスナイツ




その年(1996年)の年末商戦に登場したのが「クリスマスナイツ」という、ナイツの体験版的ソフトでありました。これはセガサターン新規購入の際に同梱されたものであり、それまでのサターン購入者にも送料&事務手数料のみで販売されました。


ナレーションはササキトモコさん。「Dreams Dreams」のゴスペルバージョンも珠玉の出来で、まさしくSONICチームからの粋なクリスマスプレゼントでした。

2007年に「Wii」で発売された続編『ナイツ 〜星降る夜の物語〜』についてはまたの機会に。


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