ミル・マスカラスの素顔【仮面貴族はアランドロン? 谷村新司?】 1971~ スキップしてメイン コンテンツに移動

ミル・マスカラスの素顔【仮面貴族はアランドロン? 谷村新司?】 1971~

毎年夏休みに全日本プロレスにやってきて、『マスクプレゼント』だ『サイン会』だと、全国のプロレスのファンの煩悩を刺激し続けた『仮面貴族』ミル・マスカラス選手。今日はそんな彼の素顔についての噺です。


まだ見ぬ強豪ミル・マスカラス

ミル・マスカラス選手はメキシコのレスラーで、マスクマンです。その名前の意味は『千の顔を持つ男』というものです(実際に彼は試合のたびに異なるマスクを被っておりました)。華麗なコスチュームに包まれた身体は、ボディビルで美しくビルドアップされており、そのカッコよさというものは、試合で繰り出す華麗なる空中殺法と共に、母国メキシコのみならず、全米レベルで大変な人気を呼んでおりました。


そんなマスカラスを、日本のプロレス業界誌の『ゴング』は、事あるごとにグラビアで特集を組んでおりました。それにより彼は日本のプロレスファンの間でも『まだ見ぬ強豪』として広く認知されていったのです。

『悪魔仮面』から『仮面貴族』へ

マスカラス選手は1971年に待望の初来日を果たします。当初の彼の代名詞は『悪魔仮面』というものでした。当時の日本のプロレスは『外国人レスラー=悪者』という単純な構図で行われており、マスカラス選手も例外ではなかったのです。しかしながら日本デビュー戦で彼が見せた異次元プロレスと、その華麗なるビジュアルというものに、旧来の『外国人レスラー=悪者』『マスクマン=悪党』というイメージは吹き飛んでしまいました。マスカラス選手は外国人選手初の善玉選手として、その後も日本マットに登場し続けることになります。


ちなみにデビュー戦は星野勘太郎選手との一騎打ちでしたが、この時に被っていたマスクが現在行方不明なのです。マスクマニアによると、もしこれがどこかで発見されたら、鑑定額は500万円は下らないと言う話ですね。いやはや…。

代名詞マスク『トレード』


マスクの話を続けますが、マスカラス選手が被っているマスクの中で、一番有名なデザインは『トレード』と名前が付いているものです。額のMマークと鳥の羽型の縁取りに対し、目の部分はティアドロップ型に穴が開いているという、なんとも洒落たデザインなのです。
マスカラス選手は試合では『トレード』のマスクを常に使っていたのですが、入場時には、そのマスクの上から、もう一枚、通称『オーバーマスク』と呼ばれる別のマスク被っていたのです。そしてそれはリングアナウンサーのコールとともに、マスカラス選手が客席に投げ入れるという、なんとも太っ腹なファンサービスのためのものだったのです。当然会場は毎回大騒ぎになったのでした。


テーマ曲『スカイ・ハイ』


マスカラス選手は『選手の入場時にテーマソングを流すこと』を定着させた選手としても有名です。今では当たり前の光景ですが、このマスカラスがオリジンなのですね。使用されていたテーマ曲はジグソーの「スカイハイ」という曲で、まさにイメージにピッタリでしたね。

(『ジグソー』にも『スカイハイ』にも一言あるのですが、まあそれはまたおいおい)


これは日本テレビの『全日本プロレス中継』のプロデューサーが、ディスコで偶然『スカイハイ』を聴いて、マスカラス選手の入場時に流すことを思いついたことから始まったのでした。いやはや実に素晴らしいアイディアですね。

ミルマスカラスその華麗なる世界


これは昭和48年に発行されたマスカラス選手の特集本です。ちなみにプロレス中古本市場では高値安定の品であります。それまで1人のプロレスラーがここまでしっかりと特集された本はありませんでしたので、当時の出版社の英断には敬意を表したいものです。マスカラス選手本人から提供された資料をふんだんに使ったボリュームのある内容で、特にカラーグラビアで掲載されたマスク特集はマニア垂涎の内容でした。



そして、この本が大きな話題になったのには、もう一つ特別な理由がありました。それは『あの本にはマスカラスの素顔が掲載されている』という実に気になる噂だったのです。

実際に掲載されていたマスカラス選手の素顔は、この子供時代の写真と


もう一つは見開きで掲載されていたこの写真でした。


うーん、わかるようなわからないような・・・

マスカラスの素顔は?

マスクマンは「プライベートでもマスクを着用して素顔を隠し通すタイプ」と「プライベートではとっととマスクを脱いでしまうタイプ」の二つに分かれます。マスカラス選手は前者であり、特にファンの間でマスカラス選手の素顔を見たという人間は、僕が知る限り一人もいませんでした。



そうなると関係者に期待するしかないのですが、プロレス村の掟というものは本当に固く、初来日から今に至るまで半世紀もの間、あの『ミルマスカラスその華麗なる世界』の一枚以外、マスカラス選手の素顔に関する写真は全く出てこなかったのです。そうなると後は証言に期待するしかありません。

アランドロン説


長らく言われていたのはこの説です。フランスを代表する悪魔的俳優アランドロン。美男子の代名詞です。これは主に週刊ゴングの関係者が流していた情報ですね。でも僕はこれは話を盛り過ぎという気がします。いくらなんでも出来過ぎだろうという… まあ確かにマスカラス選手は『悪魔仮面』ではあったのですが…

谷村新司説


80年代中ごろには「アランドロンというよりは谷村新司に近い」という話もたまに流れておりました。となると「ではマスカラスはハゲているのか?」ということにもなるのですが、それに対しては「いやハゲてはいない」と否定情報もあるわけです。実際にマスクを悪役レスラーに破られて、マスカラス選手の頭の一部が見えることもあったのですが、そこはいつもフサフサしておりました。

普通のメキシカン説

「何とも言えないんだよね。普通のメキシカンって感じで、これといった特徴がないというか…まあ紳士って雰囲気」と言っていたのは、たしか獣神サンダーライガー選手でしたが、要はハンサムでもブサイクでもないという話で、正直、あんまり面白くない説なのです。まあ実に勝手な話ですが。

突然の素顔披露

そんなマスカラス選手でしたが、1988年(日本公開はその10年後の1998年)に映画の中で突然素顔を公開したのです。そもそもメキシコには『ルチャ映画』というジャンルがありまして、それはマスクマンがマスクのまま日常を暮らしているという、実にアバンギャルドな世界観の映画なのですね。

 


マスカラス選手はそんなルチャ映画の常連でして、その中でマスクのままバイクで疾走したり、マスクのままギャングと闘ったり、マスクのまま恋をしたりしていたのです。そしてそれを観るメキシコのファン側も、もはやその程度の異常には慣れっこというか『マスクのある新しい日常』を当時から受け入れていたのですね。


しかし、1988年に公開された『愛と宿命のルチャ』は、何を思ったのか、日常パートは普通にマスクを脱いで暮らしているという、ルチャ映画にあるまじき多少まともな設定になっていたのでした。そしてそこにはマスカラス選手が、弟のドスカラス選手とともに出演していたのです。そんなわけでマスカラスブラザーズの素顔が、いきなり、あっさりと公開されてしまったのでした。

マスカラスの素顔 Mil Máscaras Unmasks

 




ドスカラスの素顔  DosCaras Unmasks



いやあ今までの秘密主義は一体は何だったんだというようなあっけなさですね。潔いにもほどがあります。そして確かにブサイクではないですね。二人ともかなり整った顔立ちだと思います。そしてこの時、マスカラス選手はもう46歳なんですね。ですのでそこを割り引いて考えると、20~30代の頃はかなりイケメンだったのではと想像できますね。



実はネットで検索すると、マスカラス選手の素顔として出てくる写真がありまして、僕はその写真があまり好きではなかったのです。

 この表情だと、確かに谷村新司っぽいですね。

ですので改めて別写真でマスカラス選手の素顔について採り上げてみたくなったのです。個人的には、マスカラス選手には、是非とも自身が若いころの素顔写真を公開してほしいと思っています。

マスカラスの今

1942年生まれのマスカラス選手ですが、いまだに現役でありまして、70歳代になってからも定期的に来日しております。2013年と2016年にはNOSAWA論外選手とタイトルマッチを行い、ALLLヘビー級とIWAヘビー級のタイトルをそれぞれ防衛しています。2017年にはドラディションに参戦し、藤波選手、武藤選手とドリームタッグを結成しました。さらに2019年にはアブドーラ・ザ・ブッチャー選手の引退興行にも参加し、かつてのライバルの引退式に花を添えています。


初来日からもうすぐ半世紀。
マスカラス選手にはいつまでも元気な姿を見せ続けてほしいなと願っております。


↓動画バージョンはこちら↓





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