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ねるとん紅鯨団【バブル期を彩った素人参加お見合い番組】1987-1994

バブル期の特徴の一つとして「恋愛に積極的」というものがありました。そんな時代に生まれた「ねるとん紅鯨団」は、司会のとんねるずの勢いとともに、時代を彩る名物番組へと成長していったのです。今日はそんな噺です。



当初はお見合い番組ではなかった

1987年に始まった「ねるとん紅鯨団」は、開始当初は「とんねるず」が様々な企画に挑むマルチバラエティ番組であり、「お見合いパーティー」は、その企画の中の一つにすぎませんでした。しかしながらそれが大変好評だったことから、番組開始後5か月過ぎたころから、この番組は「素人参加のお見合い専門番組」になっていったのです。

 元ネタとなった前番組「上海紅鯨団が行く」

僕も当時はとんねるずの大ファンであり、この番組も欠かさず視ていたはずなのですが…しかしながら、この「お見合いパーティー以外の様々な企画」というものを、たったの一つも覚えていないのです。今やそんなものがあったこと自体が、とても不思議な感じがしますよね。

番組内容

さてさて実際の番組ですが、これはタカさんチームとノリさんチームに分かれておりまして、それぞれ毎週交代で一般人参加者のお見合いパーティを収録してきます。その映像を見ながら、とんねるずと毎週スタジオに登場する日替わりのゲストが、その素人集団のカップリングを、あれこれ言いつつ見守るというスタイルのものでした。

タカさんチェック


男女の御対面の前に、タカさんが女子の参加者をチェックするものです。タカさんはその際に(当時花形の職業だった「イベントコンパニオン」に対して「コンパニャー酒井」などと)素人の参加者に印象的なあだ名をつけていました。

第一印象

男女の御対面→自己アピールタイムと続いた後に、とんねるずが参加者に「第一印象の好み相手」を小声で伝え聞きます。それがフリータイム中に情報として伝えられることで、番組を見ている側も、パーティーの様子に感情移入できるようになっていました。

フリータイム


この時間の間に、いかに意中の相手と「ツーショット」を決めれるのかが重要でした。うまく周囲に溶け込めない人間には、「そして〇〇はひとり、ひとり!、ひとり!!」と、ワンショットのズームアップで晒しものにされるという、あまりにも厳しい演出もありましたね。

告白タイム


たまにある「女子からの告白大会」を除けば、基本的に男子が女子の前まで走っていって、お願いする形で告白するという流れでした。そしてお目当ての女子が競合する場合は「ちょっと待った!」と声を掛けて、女子の前に一緒に横に並びます。
告白に対して女子がOKの場合は、相手から差し出された手を握り返し、それがNOの場合は「ごめんなさい」と謝るのがセオリーでした。

「大どんでん返し」と「トリオ・ザ・あんぽんたん」

良いムードでカップル成立間違いなしだったはずなのに、まさかの「ごめんなさい」の場合のことを「まさに!大どんでんがえし!」と呼んだり、あるいは三人競合して三人とも断られた場合のことを「トリオザ、あん!ぽん!たん!」と呼んだりと、番組オリジナルのフレーズが、とんねるずの二人により数多く生み出されました。

社会的なブームに

番組は深夜帯にかかわらず高視聴率を記録し(午後11時代でありながら7年平均が17.5%という驚異的な数字)、バブル期の勢いとともに社会現象となっていきました。

バレンタインハウス


ノリさんが番組中に描いたイラストをロゴマークにしたグッズが大量に作られ、番組のオリジナルショップである「バレンタイン・ハウス」が原宿に開店し人気を呼びました。ここは「365日がバレンタインデー」というコンセプトで作られており、一時期は修学旅行生たちのメッカとなっていました。



ねるとんパーティー

番組をヒントに「ねるとんパーティー」というカップリングパーティーを企画する業者が多数生まれました。これはそれまでの婚活パーティーとは全く雰囲気が違うものであり、(本音はともかく)軽い気持ちで参加できる出会いの場として人気を呼びました

知り合いの参加

毎週大量の素人の若者が参加する番組でしたので、次第に周囲の人も番組に参加するようになってきました。僕の場合は義理の兄と大学の先輩なんかがそうですね。そしてふたりとも無事OKをもらえていたので良かったです。

芸能人大会

素人のみならず「ねるとんね紅鯨団」として、SP枠で「芸能人ねるとん」も放送されていました。なかでも柳沢慎吾さんが内海和子さんにごめんなさいされ、「あばよっ!」と去っていく様は、ねるとん屈指の名場面として語り継がれています。



テーマ曲

オープニングテーマの歌詞

番組のOP曲は「鉄腕ミラクルベイビーズ」の「TALK SHOW」という曲です。ラテンのノリで明るい曲調は、番組の雰囲気にとてもマッチしています。しかしながら早口で歌われるために、歌詞が良くわからないという話もあるので、ここにオンエア部分を書いてみますね。



男なら立ってゆけ 女はただねて待て
頭よりも素肌で so so so so Let's get body talk
男はちょっとトッぽく 女はあーん色っぽく
真紅く燃えた方が勝ち
愛しすぎちゃ ゆきすぎてちゃ
いつかほんとにいくよ おとっとっとっとと嘘じゃないぜ♪

エンディングテーマ曲

ED曲は様々ありましたが、一番有名だったのは「ストリート・ダンサー」の「だから帰らない」ですね。彼等は前番組の「上海紅鯨団が行く」でもED曲を担当しておりました。

しかしせっかく「だから帰らない」で一発あてたのに、彼等はすぐに活動停止状態になってしまったのです。そして1991年に解散してしまいました。
その後、ボーカルの及出泰はソロタレントとなり、その他のメンバーは福島県に移り、地方タレントとして活躍することになりました。

いま改めて「ねるとん」


Youtubeなどに当時の映像がいくつか挙がっていますが、今見てもかなり面白く、若いとんねるずの二人にも強烈な時代の勢いを感じることもできます。そしていま改めて感じるのは、この番組に参加している若い人たちは、みんな純粋だなあということですね。バブル期は軽薄だと言われますし、実際にそうだったのですが、こと恋愛に関してはかなり純粋だったよなあと思います。もしかすると恋愛に真剣になれたというのも、これもまた時代の余裕の現れだったのかもしれないですね。

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