子供の頃、筆者が怖かった懐かしの悪役、ボスキャラをまとめてみました。中には「これがキャラクター?」と思われるものも含まれますが、ここはノークレーム、ノーリターンでお願いします。
ノロイ
【悪役の帝王ノロイ様】
「ガンバの冒険」の敵ボスキャラ【ノロイ】。その名前を聞いただけで、全てのネズミが震え上がる恐怖の帝王。
正体は葦毛のイタチ。ノロイは通常のイタチの3倍もの身体を持つ怪物で、島のネズミやカンバと仲間たちを殲滅する事に全人格を傾けていた。
その執拗かつ残虐な攻撃性と、歪んだ自己愛に基づく冷徹さは、まさに「極悪」というより他はなく、他の悪役の追随を許さぬ『日本アニメ史上、最大最凶最悪のトラウマキャラ』と言われている。
ちなみに番組ディレクターは後年「当時自分に小さな子供がいたので、その子たちが喜ぶような作品にしたかった」と、まるで見当違いの事を述べているのだ。それに対しては、当時の子どもたちを代表して「あんた完全に間違っているよ」と、思いっきり言ってやりたい。
※2015年に「GAMBA ガンバと仲間たち」として CGアニメでリメイクされた際、各キャラのデザインが大幅変更され、結果、ノロイもガンバも「らしさ」を失ってしまった。
望月源治
【蟹江敬三扮するGメンの魔物】
「Gメン75 黒谷町シリーズ」の殺人鬼【望月源治】。『手斧で頭を叩き割って、死人をちゃんと成仏させる』のが信条という困った男。脱獄死刑囚。粘着質(酒井和歌子へのストーキング)の凶暴男でありながら、その一方で頭も切れ、しかも顔が蟹江敬三という、実に手の付けられない恐怖キャラであった。
蟹江さんが亡くなってしまった今でも怖い。マジで。
タイガー・ザ・グレート
【虎の穴のボス】
アニメ版タイガーマスクのラスボス【タイガー・ザ・グレート】。正体は『虎の穴』の主宰である。目潰し、指裂き、凶器攻撃と、反則攻撃のオンパレードでタイガーマスクを血みどろにしたあげく、タイガーのマスクを剥いで正体を暴いてしまった極悪人(この衝撃は子ども心に本当に凄かった)。攻撃では特に『指裂き』がトラウマ。
「ヤオだ!ガチだ!ケーフェイだ!」なんてものはどうでも良くなりますね。これがダークサイド・オブ・ザ・プロレスリングなのです。
ホロホロ
【ストーカー殺人】
恋人に裏切られ続けたために肉も骨も削げ落ちてしまった男【ホロホロ】。「銀河鉄道999」に登場。鉄郎に元恋人に対する恨みつらみを告白しつつ、次第に正気を失っていく様は、現代のストーカーそのものであった。結局、元恋人とその愛人を殺害した。
それでこのエンディングですよ。 今となっては何だか妙に切ないですね。
キラー・コワルスキー
【耳そぎ事件】
子供向けのプロレス本に登場した悪役レスラー【キラー・コワルスキー】。「コワルスキーのニードロップでそぎ落ちたユーコン・エリックの耳は、血の海の中でヒクヒクと動いていた。それを目撃して以来、コワルスキーは肉を食べられなくなり、どんどんやせ細っていったのだ」というエピソードが、少年向けのプロレス本には必ず付随していて、それを恐る恐る読んだ子供たち(筆者含む)を恐怖のどん底にたたき落とした。
流智美の黄金期プロレス50選vol.2 殺人狂コワルスキー&地獄の料理人シュミット
雨野冬子(オニババ)
【超ドメバイ女】
夫を虐待する事を生き甲斐にしている極悪獰猛女【雨野冬子(オニババ)】。「ダメおやじ」の主人公の妻。アニメ版でも充分怖かったが、原作のドメスティックバイオレンスぶりはさらに凄い。そこではダメおやじを折檻するための刃物や、さらには拷問器具までもが登場しており、その度を越えた熾烈な暴力描写は、コロマロ自身がおやじになった今現在見ても、真に恐ろしいものがある。
そういえば小学校時代、なぜか友達の家に単行本があり、理由を訪ねると 「それはパパの本だよ」と言われて驚愕した思い出あり。
十面鬼ゴルゴス
【使えぬ手下は即惨殺】
「仮面ライダーアマゾン」の初期の敵ボス【十面鬼ゴルゴス】。「トラウマライダー」として名高い作品のトラウマボス。造形の怖さに負けない残忍な性質の持ち主。人面岩に埋め込まれた9人の凶悪犯の顔は生身の人間が演じており、「殺せ~殺せ~」と口々に叫ぶ様が非常に怖かった。
キノコ雲がヤバすぎです!
ちなみに十面鬼は近年、全然怖くない造形でリメイクされました
マモー
【「ふっ、ふじこ・・・」】
「映画版ルパン三世」の敵キャラ【マモー】。TV版と全く違うその雰囲気に、当時の子供が相当困惑する事となった「映画版ルパン三世」 。その物語の最大の敵マモー。彼は自らを神と名乗った複製人間である。通常の見た目も相当怖いが、「クローンプラント」「焼死」「巨大脳」という『トラウマ三点セット』が、ビジュアル的にも精神的にも実に強烈であった。
地獄の道化師
【乱歩が描いたピエロの殺人鬼】
土曜ワイド劇場「明智小五郎シリーズ 白い乳房の美女」に登場した怪人【地獄の道化師】。元ネタであるジョン・ゲイシー(実在の殺人鬼)に勝るとも劣らぬ強烈な怖さだった地獄の道化師。ちなみに筆者は「全員集合」を視聴後に、うっかりこれのオンエアに遭遇してしまった。以来、ピエロがすっかり苦手になり、今に至っている。
上杉妙
【なぎなたで襲い掛かる鬼老女】
上杉家のプッツン当主【上杉妙】。「おれは鉄平」に登場する主人公の祖母。上杉家の頂点に君臨し、家族中が震え上がるほどの絶対権力者。全く自分を敬わない鉄平の悪態にプッツンして、真剣のなぎなたで鉄平を追い回し、本気で殺しに掛かる恐怖の婆様。その鬼の形相はおねしょレヴェルであった。
八つ墓村の山崎努
【回避不可!突然登場!】
映画「八つ嘉村」に登場する村民を皆殺しにした狂人【多治見要蔵】。実在の事件がモデルになっているだけに説得色抜群の怖さだった。逃げようにも「映画のスポットCMに登場する悪役」というのは回避不可なのである。よってこの姿がトラウマになっている人間が同世代に多数いるのであった。
スラムキング
【少年誌の魔王】
「バイオレンスジャック」の最大の敵【スラムキング】。皮膚が退化していて素顔は非常に醜い。異常に発達した筋肉が自分自身の骨を砕かぬよう、常に重い鎧兜を装着し自滅を防いでいる。よく少年誌で連載できたなと思う強烈な作品である。中でも「人犬」に代表されるスラムキングの残忍さは突出していた。
みなしごハッチのスズメバチ
【みつばちの卵が大好物】
大群で襲って来る様はストレートに悪夢【みなしごハッチのスズメバチ】。ミツバチの卵が大好物という実に困ったヤツらです。ハッチの母親を捕らえて「ハッチの命が惜しければ卵のありかを教えろ!」と要求する極悪非道さはたまらない。性根が腐った性格もまた最悪だった。
スケキヨさん
【そんなに酷い人でもない】
御存知、犬神家の一族の遺産相続人【犬神佐清】。べりべりべりと、焼け爛れた顔を見せるシーンでは島田陽子ならずとも失神必至。しかしコロマロは、この作品が平成版などでリメイクされてからは、スケキヨが前ほど苦手ではなくなったのである。「安易なリメイク」というものは、怖さすら壊すのかと感じたりしている。
石原豪人の描く妖怪
【恐怖の挿絵画家】
妖怪レスラーから核戦争まで、「不気味で怪しくて恐ろしいもの」に、信じがたい画力でリアリティを与えていた画家【石原豪人】。筆者が小学校の頃、なぜか学級図書に石原先生の「妖怪図鑑」があり、その怖さにどうしても耐え切れず、上級生の姉経由で撤去してもらったという、超ヘタレな思い出がある。
念仏の鉄
【必殺骨外し!伝説の仕置き人】
「必殺仕置人」に登場し、中村主水と人気を二分した主要キャラ【念仏の鉄】。殺し技の「骨外し」のレントゲン描写が斬新だった。
またしても登場の山崎努。そもそも子供には怖すぎの必殺シリーズにおいて、見た目の怖さも残忍性も別格。そんな彼が殉死する最終回も因果応報の強烈な内容だった。
妖怪人間べムのOPのベロ
【顔は怖いがいいヤツさ♪】
人でも怪物でもない異形の生物【妖怪人間べム】。人間化しているときは、確かに「友達さ♪ベロベロ♪」という感じなのだが、真の姿は恐ろしすぎ。「子供は子供同士」と言われても、この目を恐れていた子供時代の自分には、そいつは無理な相談だった。
JAWSのポスター
【恐怖が街中に貼られた時代】
スピルバーグの出世作でパニックムービーの始祖鳥とでも言うべき名作【ジョーズ】。一発で内容が解るポスターも秀逸だった。また筆者事だが、当時(小1ぐらい)、母親と街に買い出しに出かけると、決まってデパ地下の踊り場のベンチで「ここで待ってなさい」と荷物番をさせられたのたが、その踊り場の掲示板が「映画館のポスターコーナー」だったという恐怖なのである…まさに「子の心親知らず」な思い出である。
Jaws - Theatrical Trailer (HD) (1975)
くしゃおじさん
【70年代初期の一発屋芸人】
70年代初期に突如ブームになった【くしゃおじさん】。顎を自在に外し、自ら顔をくしゃっと潰す事ができた。「悪役キャラじゃないじゃないか!」という突っ込みは無用。正体は成田さんという浪曲師。「くしゃおじさん」という可愛らしいネーミングとは裏腹に、実物は御覧の通りかなり気持ちの悪いもの。当時の少年コロマロにしてみれば、それは「妖怪」そのものであり、この世に妖怪が実在する事の証明にもなっていた。
ガロファリ
【人間性の最低度合いならダントツ】
アニメ「家なき子」に登場。パリで身寄りのない子供たちを集め、大道芸で金を稼がせているアニメ史上屈指の最低男【ガロファリ】。スープの鍋には鍵をかけ、稼ぎの足りない子供には、懇願も聞き入れず鞭打ちの罰で追い込みをかけるという鬼畜っぷり。そのくせ、大人の男には卑屈な素顔を覗かせるという、本当にどうしようもない男だった。
人食い熊フリトー
【家族向け冒険映画のはずが…】
大黒柱のパパが不在のアドベンチャーファミリーを襲う【人食い熊フリトー】。人間の味を覚えており、冬眠前の秋に姿を現すという困った熊」。映画「アドベンチャーファミリー」は、その名のとおりファミリー向け映画の名作なのだが、ラストのフリトー襲来の部分は、前半中盤と打って変わって、完全に恐怖映画のノリなっている。以来当然、熊が苦手に。
The Adventures of the Wilderness Family - "Ol' Three Toes" attack
天草四郎時貞
【我は求め訴えたり!】
映画「魔界転生」で沢田研二が演じた【天草四郎時貞】。冒頭に生首で登場して以後、様々な人間を惑わし、魔界へと転生させていく。
映画化にあたり、千葉真一の柳生十兵衛と沢田研二の天草四郎時貞は、すでに決定事項として進められていたそうだが、それも頷けるハマり役ぶりだった。その独特の妖艶な雰囲気と、当時は珍しかったカラコンの輝きにおびえる児童が多数。
サンシャイン
【 キン肉マンはスプラッター】
キン肉マンに出てくる悪魔超人【サンシャイン】。最初は雑魚キャラ的存在だったが、作者の思い入れの変化により「アシュラマン」ともども、屈指の凶悪タッグキャラに変更された。ライバルが生身の人間の「ジェロニモ」だった事も、その残虐性を際立たせる大きな要因になっていた。特に超人タッグ編から身に付けた「呪いのローラー」はトラウマ必死の極悪殺法である。
地獄の罪人達
【迫る恐怖と糸が切れる恐怖】
生前の善行から天国行きのチャンスを与えられた主人公のカンダタ。その彼に追いすがってくる【地獄の罪人達】。 芥川龍之介「蜘蛛の糸」。罪人達の「助かりたい一心の必死な姿」はあまりにも醜いもので、思わず糸を切ってしまったカンダタには昔から同情している。迫り来る様子は正に気持ち悪いとしか言いようがない。
オックス・ベーカー
【生肉を食らう恐怖レスラー】
70年代の怪奇派レスラー【オックス・ベーカー】。プロレス=見世物小屋の雰囲気を感じさせる独特の容貌は、まさにリアル「閻魔大魔王」そのものであった。ちなみにリング渦ではあるが、ベーカーは実際に2人のレスラーを事故で死に追いやっている。
{7} OX BAKER (Scariest Gimmicks in Wrestling)
この独特のキャラクターを買われ、メタルギアソリッドの元ネタ映画「ニューヨーク1997」に、監獄プロレスの帝王役で主演した事も有名である。映画の中でも当然怖かった。
獅子王院
【冷血非情の徳川方最強忍者】
NHKドラマ「風神の門」で主人公「霧隠才蔵」を追いつめる極悪忍者【獅子王院】。目的のためなら仲間を殺す事も、女に対する拷問(爪を剥がしたり)も厭わない非情な男。当時はとにかく気持ちが悪かった。若き日の磯部勉が鬱屈しまくりのキャラクターを好演。2006年に四半世紀ぶりにCSで再放送。その際には獅子王院の孤独を深く感じて、かなり印象が変わったものだった。
メフィストフェレス
【新ルパン屈指のトラウマ回】
新ルパン87話に登場する謎の男【メフィストフェレス】。正体はナチスに両親を殺されたユダヤ人ピーター・ヤコブ。ベルリンスタジアムに満員のナチス関係者を集め、風船爆弾で全員殺害しようとする。軽薄とイメージされがちな新ルパンだが、それゆえにたまにオンエアされるトラウマ回のインパクトが強かった。ヤコブがナチス生き残りの抹殺に失敗し、風船爆弾の杭で体を貫かれるだけでもお腹一杯なのに、最後に絶命した状態のまま飛行機内のルパンたちの前に姿を現すラストシーンは、まさに夜泣き級のインパクトだった。
エイリアン
【宇宙船の恐怖の同乗者】
1979年公開のエイリアン。超攻撃的な完全生命体【エイリアン】と、密室状態の宇宙船で対峙する羽目になったクルーたちの戦いは壮絶だった。本編はおろかVSプレデターまでシリーズ化されたりと、今や大盤振る舞いのエイリアンだが、第一作はかなりのチラ見せ路線で、その全体像がわかるのは映画終了間際であり、それゆえ恐怖感が倍増されていた。デザインは奇才H・R・ギーガー。キーガー氏の冥福をお祈り致します。
土曜ワイド劇場旧OP
【全員集合の後の悪夢】
不気味なファンファーレとともに、オプアートまがいの光の玉が画面を縦横無尽にうごめく【土曜ワイド劇場の初代OP】。ドリフを視終わってカトチャの言うとおりに素直に寝ないと、これに遭遇する羽目になる (当時の筆者の地元はTBSとテレ朝がクロスネットだった)。
このOPの後の「今夜のダイジェスト」なんか視てしまったらもう、その夜の悪夢は確定したようなものだった。
メカゴジラ
【宇宙金属サイボーグ】
1974年上映の「ゴジラ対メカゴジラ」に登場した【初代メカゴジラ】。当時流行だったロボットものを、ゴジラの世界観に上手に取り入れた秀逸なキャラクターだった。ターミネーターと同様に「機械とは無慈悲なもの」だと痛感させられるキャラクター。顔の造形もなかなか不気味にできており、これ以降、筆者はサイボーグ系も苦手になった。
【公式】「ゴジラ対メカゴジラ」予告 メカゴジラが初登場するゴジラシリーズの第14作目。
通り魔を演じる大地康雄
【実在の事件のドラマ化】
実際に起こった【通り魔事件の犯人を演じた大地康雄】。これは1983年の作品だが、未だに話題になるほどの熱演により、彼の個性派俳優としての地位を決定づけるものになった。子供が犠牲になった事件そのものの怖さに加え、あの強烈な犯人を、大地が余りにもリアルに演じていたため、大地康雄そのものが怖くなってしまったのも致し方ないと思う。
ジンメン
【トラウマのトラウマ】
亀の姿をしたデーモン【ジンメン】。人間を好んで食べ、喰った相手の顔と意識が甲羅に浮かび上がるという、おぞましい特質を持ち、デビルマン不動明を慕う少女さっちゃんも食われ甲羅に取り込まれていた。ジンメン編はトラウマメイカー永井豪の精神攻撃が炸裂するエピソードであり、「やっぱり永井豪は甘くないな」と痛感させられたものだった。
400歳の赤ちゃんマニトウ
【Z級カルトムービー】
70年代オカルト映画ブームを彩ったカルトムービー【マニトウ】。女性の背中にできた巨大腫瘍から、400年前のインディアンの悪霊が生まれてしまった・・・
「地獄の産声とともに〜 いま400歳の赤ちゃんが生まれる〜 マニトウ」というCMが怖すぎで、個人的なトラウマ番付でも、ノロイの次に挙げても良いほどのものだった。それゆえ、この映画を克服(つまり全編を視る事が)できたのは、実のところ、つい最近の話だったりする。
The Manitou (1978) - Official Trailer
ハーメルンの笛吹き
【実は実話だという恐怖】
グリム童話【ハーメルンの笛吹き】。ハーメルンの街のネズミ駆除をしたにも関わらず、約束の報酬を支払われない事に怒った笛吹き男が、ハーメルンの子供を全員連れ去ってしまったというお話。実はこの話は「1284年、聖ヨハネとパウロの記念日6月の26日。色とりどりの衣装で着飾った笛吹き男に、130人のハーメルン生まれの子供らが誘い出され、コッペンの近くの処刑の場所でいなくなった」という実際の伝記がもとになっているのだ・・・ひえ〜。
ジェネラル・シャドウ
【クーデターにより政権奪取】
仮面ライダーストロンガーの大幹部【ジェネラル・シャドウ】。最初は雇われ幹部だったが、クーデターにより首領の座につくという独特の経歴を持つ。悪役でありながら、その独特のビジュアル(デザインした人は凄いと今でも思う)と正々堂々した性格が人気を呼び、平成ライダーでも再登板しているらしいが、当時のコロマロにとっては「気持ち悪い」以外の何者でもなかった。
Black Satan - General Shadow, 2015 mix
食人大統領アミン
実在した独裁者
1981年公開の【食人大統領アミン】。映画のCMでは、冷蔵庫に並ぶ生首のシーンが流され、当時の子供たちを恐怖のどん底に陥れた。
70年代後半から80年代にかけての残虐映画ブームに便乗した作品。筆者は本公開から数年後に、三本立て映画(香港蛇地獄、食人族、食人大統領アミン)の一本として初見したのだが、実際は「ウガンダの政治の歴史」を長々と描いている作品であり、「長い、つまらない、怖くない」という娯楽作品として最低の映画だった。
Amin- The Rise and Fall Trailer (1981)
ツタンカーメンの呪い
3千年のたたり
新ルパン第7話【ツタンカーメン三千年の呪い】。ルパンがツタンカーメンの黄金のマスクを手に入れるものの、仮面の呪いにより死線をさまよう。
CMに入る際のアイキャッチが、シリーズで唯一「たたりじゃ〜」に差し替えられていることでも有名な回。当時はピラミッドパワーブームが盛り上がっており、史実をうまく絡めたストーリーが、小学生の恐怖心を巧みに操っていた。
口裂け女
都市伝説の女王
1979年頃に流行した都市伝説【口裂け女】。「わたし綺麗?」「はい」「これでも〜」「ギャ!」というお約束のセリフ。最近になって映画化されたようだが、当時は小学生を中心に本当に口コミで噂が全国に広まっていった(岐阜起源説あり)。
ちなみに筆者の小学校前の商店に、この口裂け女のジョークグッズ(ゴム製の裂け口)のガチャガチャがあり、そのおどろおどろしい絵の前を、毎日通らなきゃいけないのが憂鬱だった。
赤い鳥のこころの扉絵
【暗闇から凝視する目】
【赤い鳥のこころ 世界名作童話シリーズ】。国際児童年(1979)を記念し放送された児童向けアニメ。オープニングの黒い顔の絵と、そのバックに流れる不気味な曲が、不吉の不協和音を奏でていた。
人気絶頂だった「まんが日本昔ばなし」を意識しまくった内容なのだが、作画も含め、全体的に暗い印象で、さらには本家以上の割合で「トラウマ話」が取り上げられるという負の二重構造。冒頭にいきなりアップで登場する謎の目が、今夜も夢に出そうで怖い。
007のジョーズ
【鋼鉄の歯で鮫も食殺】
007シリーズの殺し屋【ジョーズ】。鋼鉄の歯を持つ不死身の巨人。「私を愛したスパイ」「ムーンレイカー」と2シリーズに渡りボンドを付け狙った、ボンド最大の宿敵。
2m18cmの大巨人で、とにかく何があっても死なない不死身の男。ストーカーのごとくボンドの前に立ちふさがる様は、このビジュアルインパクトも合わさって、心の底から恐ろしいものだった。
※2014年9月10日 ジョーズ役のリチャードキールさんが亡くなられました。ご冥福をお祈り致します。
007 James Bond: The Best Of Jaws
蛇皇院
【ブラックエンジェルズの蛇人間】
中期の「ブラックエンジェルズ」に登場した竜牙会の殺し屋【蛇皇院】。性格は破綻しており、蛇を用いて大量殺人を繰り返す。最後は自身も蛇のごとく松田に巻きつき、絞め殺そうとするも・・・
連載当初は「現代版必殺仕事人風のリアリズム漫画」だったが、最後は「ぶっ飛びすぎのサイキックバトル漫画」に変容していったブラックエンジェルズ。それゆえに物語中盤の竜牙会編は、バランスよく、その両方の怖さが描かれていた印象がある。
緒方拳
【稀代の怪優】
実在した殺人鬼を演じさせたら右に出るものがいない怪優【緒方拳】。全盛期に演じた「鬼畜」や「復讐するは我にあり」では、ノンフィクションを超えたリアルな犯人像を体現していた。
子供の頃、うっかりTVで「セックスチェック第三の性」という映画をみて以来、緒方拳がすっかり苦手になっている。晩年は「愛はどうだ」などでコミカルな役を演じていた緒方だが、私が「騙されるな!そいつは殺人鬼だ!」と心のそこで叫んでいたのは言うまでもない話。
白色彗星帝国
【最大スケールのトラウマ】
映画「さらば宇宙戦艦ヤマト~愛の戦士たち~」に登場する【白色彗星帝国】。アンドロメダの彼方から、数々の星を侵略しながら地球に迫ってくる。
当時は実際にハレー彗星が地球に近づいていた時期であり、それがこの白色彗星にリアリティを与えていた。また白色彗星が現れる際に流れる大げさなテーマ曲(パイプオルガン)は、その不協和音も合い合わさり、トラウマ曲の最高峰と評されている。
指名手配書
【「おい、小池!」など名作多数】
【日本赤軍の指名手配書】。指名手配写真が怖いのは、その捕まっていない容疑者達が「もしかすると自分の身の回りにいるのでは?」という恐怖感によるものが大きいと思う。
僕が子供の頃、小学校のバスの待合に、この日本赤軍の指名手配写真が貼られていて、それはもう本気で怖いものだった。何もそんなところに貼らなくても・・・
赤カブト
【ノロイ様と双璧のトラウマ横綱】
「銀牙 -流れ星- 銀」のボスキャラ【赤カブト】。もともと強暴な人喰い熊だったが、頭部にマタギの銃弾を受けた際に、脳下垂体に異常が発生し超巨大化。誰も手を付けられない究極のモンスターに変貌した。
トラウマキャラの話題になると、「ガンバ」のノロイ様と並んで必ず名前が挙がるのがこのキャラ。世界観もそっくりというか、まんまパクりのような…。
喪黒福造
【黒い笑ゥセールスマン】
謎のセールスマン【喪黒福造】。人の願望をかなえてやるが、約束を破ったり忠告を聞き入れなかった場合に、その代償を負わせるというオムニバスストーリー。
情報番組の『ギミア・ぶれいく』でアニメ化され一躍有名になった。物語の舞台は基本的にリアリズムで表現されていたので、その現実感で恐怖心をより煽られた。
笑ゥせぇるすまん【デジタルリマスター版】第1話「たのもしい顔」
キャリー(1976)
【いじめられっ子がブチギレ!】
実は超能力を持ついじめられっ子【キャリー】。彼女は華やかなパーティーの壇上で度を越えた悪戯をされプッツン。全てを焼き尽くす。
70年代のホラー映画ブームを象徴する作品。血濡れのキャリーの姿は70年代チルドレン共通のトラウマである。今映画を見直すと、キャリーに対するスーと先生の善意が空回りする様がとても切なく印象に残る・・・まあそれでも昔と変わらず怖いのだが・・・。
トロル
【ノルウェーの妖怪】
絵本「三びきのやぎのがらがらどん」に登場する気味の悪い妖精【トロル】。そのあまりに気持ちの悪い姿がトラウマ患者を多数生み出した。
谷川でヤギたちを待ち受けるトロルが、逆にバラバラに体をちぎられ抹殺されるという、なかなかスプラッターな話になっている。時代を超えて幼児に大人気の話であり、今でもお遊戯会の人気演目の一つになっている。
金竜飛
【舞々(チョムチョム)開始!】
あしたのジョー2の敵キャラ【金竜飛】。朝鮮戦争の際、食料欲しさに実の父親を殺してしまったという強烈なトラウマを持つ。ジョー曰く「勝てる気がしないぜ」という強敵。謎の攻撃「舞々」がジョーとの戦いで炸裂する。
ボクサーの過酷な減量というものがテーマになっているエピソードで、ジョーの壮絶な減量そのものもトラウマになる人間が続出した。どうでもいい話だが、あの実写版映画において、伊勢谷友介は力石ではなく、この金竜飛をやればよかったのにと強く思う。手洗いシーンとかハマリそうなんだけどなと。
初井言榮
【鬼婆、鬼姑の象徴的存在】
80年代に鬼老女としてドラマの世界に君臨していた【初井言榮】。特に「ヤヌスの鏡」の「小沢初江」が印象深く、主人公の心を決定的に損なう冷酷な祖母を堂々と演じていた。その表情が今でも脳裏から離れない。
「ヤヌスの鏡」の撮影時、初井の実年齢は56歳という意外な若さであった。享年も61歳であり、彼女の老女役のハマリぶりというのは、実は演技力の賜物だったという事が今にしてわかる。
子供のころ怖かったもの【トラウマキャラ大集結】まとめ100後編
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